『チート』(英語:cheat)は、騙す、欺くという意味です。
オンラインゲームにおいて、ゲームデータやプログラムを不正に書き換えた『チートツール』を使い、圧倒的に有利な状況でゲームを進めたり、ひとり勝ちしたりするよう仕組むことを『チート行為』と言います。
そして、チート行為を行う人が『チーター』です。
近年、コンピューターゲームやスマートフォン用ゲームでも、チート行為による『チート汚染』が問題になっています。
NHKEテレ『ねほりんぱほりん』に、ゲーマーの間では『神』と呼ばれていた元チーターが登場します。
ここでは『チート行為』について、詳しく見ていきましょう!
チート行為は犯罪なの?
警視庁によるチート行為の定義では、
ゲームのデータやプログラムを改ざんして、正規の利用では本来できないこと(ゲーム内通貨やレアアイテムを不正に増やしたり、キャラクターのレベルを急激に上げたりするなど)を不正にできるようにする行為をチート行為といいます。
チート行為 または チート行為を可能にするプログラム等を提供する行為を行った場合、
・ゲーム運営会社に損害が発生したとして、損害賠償請求される
・違法行為として処罰される
等の可能性を指摘しています。
「ゲーム上の行為だから」と安易に考えていると、取り返しのつかない事態となります。
チート行為は、絶対にやめましょう!
チート行為を発見した場合は、それぞれのオンラインゲーム運営会社に通報してください。
と警鐘を鳴らしています。
出典:「チート行為はやめましょう!」警視庁ホームページ サイバー犯罪対策課対策係
代表的なチート行為は、以下の通りです。
- ゲーム内通貨を不正な方法で増やす
- アイテムを不正な方法で入手する
- キャラクターのレベルを不正な方法でアップさせる
- キャラクターを不正な方法で無敵状態にする
- ゲームデータを不正な手段で操作してパラメーターを変える
チート行為で実際に逮捕された例もあります。
『モンハン』でチート行為容疑 大学生を逮捕 摘発は全国初(奈良県)
人気オンラインゲーム「モンスターハンターフロンティアG」データにアクセスし、キャラクターを強くするプログラム改変を不正に行うチート行為をした容疑。
出典:THE SANKEI NEWS (2016年10月4日) https://www.sankei.com/
神奈川県警『パズル&ドラゴンズ』チートツール作成者を逮捕
自分の所持しているモンスターのステータスを任意の値に変更し、難易度の高いダンジョンも簡単にクリアできるようにゲームデータを不正に解読、改ざんできるツールを開発し、Webサイトなどで公開した疑い。
出典:gamebiz(2016年6月16日) https://gamebiz.jp/
すでに一名、チーターでの逮捕者が出たようなので、警察に提出させて頂いた告訴状の一部を公開いたします。
現時点でさらに複数名のチーターに対する告訴を進行しております。
示談には一切応じません。よろしくお願い致します。 pic.twitter.com/qYWw67s7Lq
— ちょうなん@荒野行動開発者 (@ginnan_0) February 16, 2020
チート行為で逮捕の元チーターはゲーマーの神だった?【ねほりんぱほりん】
NHKEテレ『ねほりんぱほりん』に、チートツールを開発・販売した末に逮捕された「元チーター」の30代男性が出演します。
ゲーマーの間では“神”と賞賛され、数百万円の利益を得ていたのだそうです。
その一方で、現実世界では、孤独な引きこもり生活を送っていたと言います。
チーターたちからの賛辞に心のより所と幸せを求めた男性は、なぜ過ちを犯し、逮捕によってどのように更生していったのでしょうか?
【次回は新作!】
『元チーター』
ゲームプログラムを不正に書き換える、通称「チーター」。
ゲストは「チートツール」を開発・販売した末に逮捕された男性。
ゲームの中に幸せを求めた人生。その「過ち」と「更生」への道のりとは?11月10日(金)22:00、Eテレです。#ねほりんぱほりん pic.twitter.com/7ohEpHf4qx
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) October 27, 2023
最近では、違法プログラムの実行パターン等をAIに学習させてチート行為の検出に役立てるという技術が加速しています。
チート行為が発見された場合には、ゲームのアカウントが凍結されるだけでなく、ゲーム運営会社から民事上の損害賠償請求がなされる可能性があるそうです。
また、チート行為は、刑法上の責任が問われた場合、
- 著作権法「著作者人格権侵害」(5年以下の懲役または500万円以下の罰金、あるいはこれらの両方が科される)
- 「電子計算機損壊等業務妨害罪」(5年以下の懲役または100万円以下の罰金)
- 「私電磁的記録不正作出・同供用罪」(5年以下の懲役または50万円以下の罰金)
等の犯罪に該当するおそれがあり、刑罰が科せられる可能性があるそうです。
出典:ベリーベスト法律事務所ホームページ https://omiya.vbest.jp/
最近では、チート行為を撮影した動画を安易にYouTube投稿するケースも増えています。
多くのチーターに罪の意識はなく、チート行為が拡散され、迷惑行為や営業妨害が横行しています。
特に小中高生など、犯罪に対する知識が未熟な年齢層には、正しい方法でゲームをするよう啓蒙活動を行うことが課題となっています。
チート行為についてまとめ
かつて、家庭用ゲーム機が主流だった頃にも『裏ワザ』と言われるチート行為は行われていたそうです。
しかし、それはユーザー個人で完結するもので、他のユーザーに迷惑をかける行為ではなく、ゲーム事業者に損害を与えることもありませんでした。
ところが、ゲームがオンライン化したことにより、ユーザー同士が競い合うようになり、チート行為が、他のユーザーへ迷惑を及ぼす悪質なルール違反行為として問題になりました。
オンラインゲームは『アイテム課金』というスタイルですが、チート行為によって、アイテム課金を回避することができるようになります。
無料の基本プレイでもアイテムを不正に入手することで、課金プレイヤーより簡単に優位な状況になり得るのです。
これでは、課金ユーザーが純粋にゲームを楽しめず、ゲーム自体の魅力が失われていきます。
セガネットワークス(SEGA Networks Co.,Ltd.)代表取締役社長 CEO・里見治紀氏は、
ゲームの本質は『瞬間の感動体験』だ。
ゲームを通じて、家族や友人との絆を深めたり、共通体験を通じて国境をも越えることができる。
ゲーム業界の存在意義は、人々に気晴らしや心を癒す豊かな生活を提供することである。
と述べています。
オンラインゲームが国籍を問わず、ルールを守るゲーマーが正々堂々と楽しめるエンターテインメントに成熟するよう応援しています!
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