石黒謙吾【作家】の家族と犬・猫・人を看取る著書について徹底解説!

アート・本
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石黒謙吾さんは幅広い分野の書籍を手がける作家です。

著書『盲導犬クイールの一生』は発刊後3年で87万部を売り上げる大ヒットとなり、映画化されました。

家族として共に生きる犬と猫を、人と同じようにいつの日か『看取る』ことについて、石黒謙吾さんは、あたたかい母親の存在と重ねて考えます。

石黒謙吾さんが、NHK Eテレ『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。もの書く人のかたわらにはいつも猫がいた。』に登場します。

犬と猫に向けられる石黒謙吾さんの優しく穏やかな視線は、番組の中でも見られます。

いつも犬と猫がかたわらにいる、石黒謙吾さんを紹介します。

 

石黒謙吾さんの家族について

石黒謙吾さんは、世田谷にある7階建てのマンションの最上階に、奥さん犬1匹猫1匹と暮らしています。

奥さんはエッセイスト石黒由紀子さんで、夫婦ともに、犬と猫がそばにいる自宅で執筆活動をしています。

石黒謙吾さんと同じく犬と猫が大好きで、中古マンションを購入する際にも、ペットが飼えるマンションを探したそうです。

石黒由紀子さんの著書では、『豆柴センパイと捨て猫コウハイ』『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(幻冬舎)など、ペットとの暮らしを多く取り上げています。

 

捨て猫だったコウハイ(オス・12歳)は、生後3ヶ月頃に保護施設からのご縁で石黒夫妻の家にやってきました。

豆柴犬(メス・17歳)のセンパイを姉のように慕っています。

コウハイは自由奔放な性格ですが、犬と猫がお互いに、種の違いに対する思いやりや気遣いをもって生活していると、石黒謙吾さんは感じるのだそうです。

 

石黒謙吾さんは幼少期から母親がいない時期が長くあり、3人の母親がいます。

生みの母親と2番目の育ての母親は既に亡くなっています。

犬や猫を家族のように可愛がりなさい。

と言う3番目の母親は健在です。

著書『犬がいたから』(集英社)の中で石黒謙吾さんは、

犬がいたから、今僕はこうして生きている!

人生に疲れ、途方に暮れていたあの頃、そっと寄り添い、支えてくれた犬たちがいた!

と述べています。

 

石黒謙吾さんの作家活動・著書について

石黒謙吾さんは、さまざまなジャンルの書籍を企画・プロデュースする著述家であり、編集者です。

代表的な著書『盲導犬クイールの一生』は、ラブラドール・レトリバーの盲導犬クイールが生まれた瞬間から息を引き取るまでを、フォトグラファーの秋元良平さんがモノクロームの優しい写真におさめ続けました。

そして、石黒謙吾さんは感動のドキュメンタリーとして文章を綴りました。

盲導犬クイールのパートナー(使用者)は

人間らしい歩き方を思い出させてくれた。

という言葉を残して、この世を去ったそうです。

 

盲導犬が「生みの親(母犬)」「育ての親(パピーウォーカー)」「躾の親(盲導犬調教師)」の3段階を経て育っていくことと、石黒謙吾さん自身に3人の母親がいたことを重ね、紆余曲折を経ながらも、見えない力に後押しされて刊行できたと語っています。

 

石黒謙吾さんが想う『犬・猫・人を看取る』ことについて

豆柴犬のセンパイは17歳の高齢で、2年前から歩行のために補助具を使って生活しています。

12歳の猫コウハイがセンパイを『送る』ことになるだろうと、石黒謙吾さんは考えています。

センパイを姉と慕うコウハイは、宇宙と交信するような不思議な行動をすることがあるため、センパイの死期や死を察知し、寂しさに折り合いをつけていくのだろうと、石黒謙吾さんは想像します。

 

石黒謙吾さんの著書『犬が看取り、猫がおくる、しあわせのホーム』(光文社)では、

犬と猫と人、みんな一緒に老いていく。

最期の時まで寄り添う、長年愛した飼い犬、飼い猫、そして、保護猫たち。

今日もあたたかな時間が流れる。

人の死期を悟り、看取る、奇跡の犬・文福たちと暮らす老人ホームでの生活を描いています。

 

石黒謙吾さんは、特別養護老人ホーム『さくらの里 山梨』(神奈川県横須賀市)と、そこに暮らす犬・文福を追ったドキュメンタリー番組(NHK)の映像を観たことが、取材を始めるきっかけでした。

施設長である若山三千彦さんの著書『看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語』も『愛と奇跡が詰まった感動の実話』として話題になりました。

 

石黒謙吾さんは、

施設内の証明と自然光だけのほの暗い中で、ストロボもレフも使わず、手持ちで追う犬と猫と人に思いを寄せ、心が通う時間を待った。

と振り返り、

これは僕にとって至福の時間でした。

忙殺される中で摩耗した、澄んだ慈愛の心。

それを、犬と猫、老人と介護職員の方たちによって取り戻せた、非日常のパラダイスでした。

と述べています。

その非日常の中でも特に、

スタッフは人間のお世話と犬猫のお世話を淡々とやっていることに一番胸を打たれた。

意義深いことをやっていると思う。

もっともっと広まって行ってほしい、知られるとイイなと思う。

と語ります。

そして、我に返り、

自分自身も老人になって犬や猫と暮らせないこともあり得るよなと考える。

 

命あって生きるもの全ての宿命である『老い』『死』に向き合い、『看取り』『看取られる』ことを、ホームでの感動的なエピソードを柱にまとめられた一冊です。

 

 

石黒謙吾さんについてのまとめ

石黒謙吾さんは『ネコメンタリー』(HNK Eテレ)の中で、

猫は女友だち?…。

猫は妹?…。

猫は妻?…。

でもやっぱり、猫は母かな。

と自身に問いかけます。

今も健在である3番目の母が飼っていた猫を、石黒謙吾さんが看取ったときに『猫は母かな』と思ったのだそうです。

いつも自分に想いを向けていてくれる。

僕にとっての猫はいつも見守ってくれている『4番目の母親』なんだ。

 

いつもどこからか静かに見守ってくれる母親が…猫が…、老いて人生の最期を迎えるときに石黒謙吾さん自身がしっかりと寄り添って看取ることに想いを馳せます。

そして、いつしか自分自身が老いた日には、犬や猫と一緒に老人ホームに入ることをイメージしているのだそうです。

現代日本の『老人問題』を、犬と猫と彼らを愛する人々からのアプローチで役に立ちたいと志す石黒謙吾さんを、これからも応援していきます!

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